「試遊レポ」Have You Seen This Cat? 可爱さの裏に潜む違和感
Have You Seen This Cat? は、可愛らしい猫というモチーフを巧みに利用し、プレイヤーの油断を真正面から突いてくるサバイバルホラー作品である。舞台は廃墟と化した施設。プレイヤーは「PAW PAD」だけを手に、本物の猫と偽物の猫(コピーキャット)を見分けながら探索を進めていく。
偽物の猫は毎回特徴が変化し、足が異様に短かったり、尻尾が不自然に細かったりと、細かな違和感を見逃さない観察力が求められる。判断には時間制限があり、迷っているうちに時間を超えるとゲームオーバーになるため、焦りがプレイヤーの思考を確実に鈍らせてくる。さらに、偽物を処理する際にはゴミ箱を開ける操作まで要求され、その一連の行動が「自分の手で処理している」感覚を強く与え、心理的な負担を増幅させている。
偽物のねこを「処理」して
一方で、本物の猫は保護対象だ。レバーを下げてセーフルームへ送り届けることで保護が完了し、6匹の猫を無事に救出できればクリアとなる。しかし、猫の可愛さに気を取られていると、このゲームの本質であるホラー要素を見落としかねない。本作は見た目に反して、かなり本格的なホラー演出を備えている。
暗闇に包まれた環境の中で突如現れる巨大なモンスターは、こちらの視線を避けるように行動し、視界の外から忍び寄ってくる。その存在は常にプレイヤーの背後への疑念を煽り、「今、後ろにいるのではないか」「すでに猫の中に紛れ込んでいるのではないか」という不安が途切れることはない。1セット約10分という短いプレイ時間も、この張り詰めた緊張感を最後まで維持するのに一役買っている。
モンスターに追いつけられたら即死
気になる点としては、時間制限を超えても特別な演出や即時のペナルティが発生しない場面があったことだ。デモ版ゆえの仕様なのか、あるいは不具合なのかは不明だが、正式版では時間切れに対するより明確な恐怖演出が加わることで、ゲーム体験はさらに引き締まるだろう。
総じて本作は、「可愛い」という先入観に油断した瞬間に牙を剥く作品であり、観察力と精神的耐性を同時に試してくる短時間高密度型のサバイバルホラーである。正式版での完成度向上に期待を抱かせる試遊体験だった。