「試遊レポ」集団後遺症

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マシュマロ
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2026年1月16日
試遊ホラーアドベンチャー

『集団後遺症』は、「希望」と呼ばれるカルト宗教に支配された社会を舞台にした心理ホラーアドベンチャーだ。ここで描かれる恐怖は暗闇ではなく、むしろ明るい光の中に存在している。人々は笑顔で「幸福」や「救い」を語り、親切そうに振る舞うが、その裏側ではすべての思考と行動が監視され、少しの疑念やためらいさえも罪として記録されていく。プレイヤーはそんな歪んだ世界で「模範的な信徒」として物語を始めることになる。

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七度の悔改とは。。。?

目を覚ますと、部屋の中には「希望」や「幸せ」に関する言葉が無数に貼られ、本棚には幸福になるための本や教育書が並んでいる。背景はまるで香港の九龍城寨のように狭く、密集し、圧迫感に満ちており、その物理的な閉塞感がそのまま精神的な不安へとつながっているのが印象的だ。さらに、部屋の構造はどこも同じで、「隣人」の顔もすべて同じ。人々は名前ではなく番号で呼ばれ、「個人」という概念が意図的に消されている。

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ここでみんな「隣人」と呼ばれている

今回体験したデモ版のプレイ時間は約1時間。全体の感覚は、ゲームを遊んでいるというよりも、強烈な世界観を持つアニメやドラマを体験しているような印象に近い。物語はエレインという女性によってリードされ、プレイヤーは彼女の導きとともに、この社会の歪みと秘密に少しずつ触れていく。ゲーム性は探索アドベンチャーが中心で、アクションやパズルの比率は低めだ。

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謎のモンスター

特に印象的だったのは、いじめに加担させられる場面である。プレイヤー自身が加害者の立場に立ち、誰かを傷つける選択を強いられる構造になっており、画面の中の出来事でありながら、まるで自分が本当に誰かを踏みにじっているかのような居心地の悪さを覚えた。この不快感こそが、同調圧力と洗脳の恐ろしさを最も雄弁に語っている。

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デモ版の自由度は高くなく、基本的には用意されたルートに沿って物語が進んでいく。2回目に違う選択肢を選んでも展開が大きく変わることはなく、正式版ではより多くの分岐を体験できるようになることを期待している。

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『集団後遺症』は、派手な演出で魅せる作品ではなく、雰囲気と物語で精神を締め付けてくる心理ホラーだ。「希望」や「幸福」という言葉がここまで不気味に感じられる体験はそう多くない。

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果たして自分は誰なのか、自分はなぜここにいるのか。「本当の自分はここにはいない」という言葉が示す意味は何なのか――そうした謎が、プレイ中ずっと頭から離れない。

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デモ版で提示された数々の謎の答えを知るためにも、正式版でこの歪んだ世界を最後まで体験したくなる、強いインパクトを持った一本だった。

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