「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

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マシュマロ
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4
2026年1月8日
試遊パズルアドベンチャー

「文字遊戯」は、世界を構成するすべての要素が“文字”として存在し、その文字を操作することで状況を切り開いていくテキストパズルADVだ。プレイヤーは「我(ワタシ)」を操る勇者として旅に出るが、ここで求められるのは剣による戦いだけではない。世界を成り立たせている“言葉の構造”そのものを理解し、再編し、突破口へとつなげていく発想力である。

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV文字だけで構成された世界

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

本作ではボスとしての魔龍(ダークバハムート)である

ゲーム序盤では、自室に並ぶ「暖炉」「椅」「壁」「机」といった文字を前に、「門」がどこに隠されているのかを探りながら探索を進めていく。単に正解のオブジェクトを探すのではなく、「どの文字をどう扱えば“門”へ至る条件が成立するのか」を考える必要があり、文字を環境ギミックとして読み解く体験が新鮮だ。

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

「我」を操作して文章での「門」を探すと脱出しよう

遊び方は丁寧なチュートリアルとヒント機能によって段階的に理解でき、文字パズルに慣れていないプレイヤーでも安心して入り込める設計となっている。

デモ版では三つの聖なる道具が揃うまで体験可能で、文字操作の発想が段階的に拡張されていく構成になっている。

剣で不要な文字を斬り

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

(ネタバレ)聖剣で「不可能」の「不」を切って「可能」になる

グローブで単語を移動させ

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

グローブで文字を動かせる

アンダーラインで文字同士を連結させる

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

アンダーラインで「白」と「水」連結して「泉」になる

という具合に、道具ごとにアクションの役割が明確で、組み合わせるほど攻略の幅が広がる。スライム戦では文章を分断して行動を封じるなど、“テキスト編集の延長”として設計されているのがユニークだ。

難度設計は“ひらめき寄りの思考ゲーム”。

詰まったときには『ESC』キーでヒントを得られるため理不尽さは少なく、試行錯誤を重ねながら自分なりの解法を見つける楽しさが味わえる。

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

「Crtl+Z」でパズルをリトライことも可能

一方で、本作ならではの特徴がそのまま“制約”にもなっていると感じた。

文字という題材は無限の表現を広げられそうに思えるが、実際に操作できる文字は限定されており、解法も基本的に一つに定められている。プレイヤーが自由に発想を広げるというより、「作者が用意した正解へ辿り着くための導線をなぞる」体験に近く、複数の結末や分岐を楽しむタイプの作品ではない。そのため、物語を一巡すると“満足して終えやすい一回性の強いゲーム”という印象も残る。

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV

しかし、それ以上に印象的だったのが、本作がもともと中国語のゲームであり、日本語版として丁寧にローカライズされていることだ。
その影響で、ところどころに日常ではあまり見慣れない漢字表現が登場する場面もあるものの、物語や舞台描写の質感は違和感なく日本語として成立しており、翻訳作業の緻密さとこだわりが伝わってくる仕上がりになっている。

本作は特に、ルールや世界の仕組みそのものを読み解くタイプのゲームが好きなプレイヤーに向いている。「Baba Is You」 のようなルール操作系パズルが好きな人や、言葉・概念・テキスト表現に面白さを見出すタイプのプレイヤーには、強く刺さる作品だろう。一方で、反射神経よりも落ち着いた思考と試行錯誤を楽しみたい人にも心地よい。

「読む物語」でも「解くパズル」でもなく、“文字を運用し、世界のルールを書き換えて進む冒険”。

「文字遊戯」は、言葉そのものをゲームプレイの中心に据えた、きわめてユニークで記憶に残るテキストADVだと感じた。

「試遊レポート」文字遊戯 文字を“読む”のではなく“運用する”思考型テキストパズルADV