カプコン、生成AIによる素材をゲームへ直接実装しない方針を表明

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なかさと
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2026年3月23日
ニュース

カプコンは2026年3月23日、「個人投資家向けオンライン会社説明会」ページを更新し、過去に実施した説明会のQ&A要約を公開した。

同説明会では、IR担当者が個人投資家に向けて市場動向や企業戦略などを解説しており、資料としてプレゼンテーション、Q&A文書、動画アーカイブも提供されている。

注目すべき点として、カプコンは「生成AI」に関する質問への回答で、生成AIによって作成された素材をゲーム内容に直接実装することはないと明言した。

一方で、生成AIについては開発効率や生産性の向上につながる技術として位置付けており、今後も積極的に研究・活用を進めていく方針を示している。具体的には、美術・サウンド・プログラムなど各分野において、導入方法や実用性の検証を進めているという。

なお、カプコンは2025年1月時点ですでに「アイデア発想」の段階で生成AIを活用していることを公表しており(Google Cloud Japan公式ブログより)、今回の発表はその利用範囲と方針をより明確に示したものといえる。

Q&Aでは、まず投資家から第3四半期の業績について質問が寄せられた。これに対しカプコンは、全体としては通期計画に沿った進捗で推移していると回答。デジタルコンテンツ事業では『モンスターハンター ワイルズ』の販売が想定を下回ったものの、2026年2月発売の『バイオハザード9:レクイエム』にあわせてシリーズ旧作の価格施策やプロモーションを強化し、ストーリーの連続性も相まって、リピート購入による販売が堅調に推移したと説明した。なお、アミューズメント機器事業およびアミューズメント施設事業も安定した成長を維持しているという。

同社はまた、自社の強みとして以下の4点を挙げている。第一に、自社開発エンジン「RE ENGINE」と3,000人以上のクリエイターによる開発力により、先進性と高い完成度を兼ね備えた作品を安定的に生み出せる点。第二に、長年の蓄積によって形成された、グローバル市場で通用する多様なIP資産。第三に、世界各地の市場動向や販売データ、経済指標などを分析した戦略的なマーケティング体制。第四に、「新作発売の合間にも旧作の販売促進を継続する」循環モデルを構築し、ユーザー基盤の拡大とIP価値の向上を図り、それを次回作へと還元する仕組みである。

また、「毎年10%以上の営業利益成長」という目標については中期経営計画の一環であり、達成には新作ラインナップの強化と旧作のロングセールス拡大の両立が不可欠と説明。中長期の発売スケジュールを策定し、経営・開発・宣伝・マーケティング各部門が連携して進行管理を行うほか、開発体制の強化を重要課題と位置付け、人材の増員や若手育成への投資も継続していく方針を示した。さらに、グローバル市場には依然として大きな成長余地があるとし、拡販を通じた持続的成長を目指すとしている。

生成AIについては、改めて「生成AIで作成された素材をゲームへ直接実装することはない」と明言。一方で、開発効率や生産性の向上につながる技術としての活用には前向きであり、美術・サウンド・プログラムなど各分野での導入可能性を検証している段階だとした。

モバイルゲーム市場への展開については、自社の強みが高品質・高付加価値の家庭用ゲーム開発にあるとし、今後もコンソール領域を主軸とする方針を強調。ただし、ブランド認知拡大の観点からモバイルは重要な接点と位置付けており、『Monster Hunter Now』のようなライセンス展開を通じたグローバル展開を継続するほか、iPhoneなどへの『バイオハザード』シリーズ移植といった形で、ハードの多様化戦略の一環としてモバイル領域にも取り組んでいくとしている。

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さらにカプコンは、「大型タイトルの発売スケジュールをどのように維持しているか」という質問にも回答。中長期的な計画を前提に、複数部門による定期的な協議と進行管理を行っており、開発現場においても「スケジュールを守る」という意識が文化として定着していると説明した。

また、投資家から関心の高い株主優待については、現時点で導入の予定はないとし、今後は企業価値の向上と安定的な増配を通じて株主への還元を図っていく方針を示した。