NVIDIA、新たに「DLSS 5」を発表 今秋提供予定 ゲーム開発者にハリウッド級のリアルな光と影をもたらすと強調する一方で、一部では懸念の声も
NVIDIAは本日、超解像技術「DLSS 5」を発表した。リアルタイムのニューラルレンダリングモデルを導入し、ピクセルにフォトリアルな光や色彩を付与することで、これまでハリウッドのVFXでしか実現できなかったような、写真のようにリアルなグラフィック表現をゲーム開発者にもたらすと強調している。
NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアンは次のように述べている。
「NVIDIAがプログラマブルシェーダーを発明してから25年、私たちは再びコンピュータグラフィックスを再定義します。DLSS 5はグラフィックス分野における“GPTの瞬間”です。手作業によるレンダリングと生成AIを融合し、視覚的リアリティを飛躍的に向上させると同時に、アーティストの創造的なコントロールも維持します。」
NVIDIAによると、DLSS 5は各フレームの色情報やモーションベクトルを入力として使用し、AIモデルによってシーンにフォトリアルな光影や質感を付与する。これにより最大4K解像度でのリアルタイム動作が可能となり、滑らかでインタラクティブなゲーム体験を実現するという。
さらにこのAIモデルは、エンドツーエンドで学習されており、単一フレームの解析だけでキャラクターや髪、布、さらには逆光や曇天といった環境光の条件まで含む複雑なシーンの意味を理解できる。その理解に基づき、布の繊細な光沢や髪への光の反射といった細部まで表現しつつ、元のシーン構造や意味を保ったまま高精度な映像を生成する。
また、NVIDIAはBethesda、CAPCOM、NetEase、NCSOFT、Tencent、Ubisoft、Warner Bros. Gamesなどと提携しており、DLSS 5は『AION 2』、『デルタフォース』、『ホグワーツ・レガシー』、『NARAKA: BLADEPOINT』、『異環』、『バイオハザード9:レクイエム』、『Starfield』、『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』、などのタイトルへの導入が予定されている。
DLSS 5は今年秋に提供開始予定で、本日『バイオハザード9:レクイエム』や『ホグワーツ・レガシー』などにおける実機デモ映像も公開された。
一方でNVIDIAは、DLSS 5が強度やカラーグレーディング、マスク処理などの詳細なコントロールオプションを提供し、開発者がどこに・どのように効果を適用するかを自由に決定できることで、各作品固有の美術スタイルを維持できると強調している。
しかしDLSS 5の公開後、海外の業界関係者やプレイヤーの間では一部で懸念や疑問の声も上がっている。ゲーム本来のアートスタイルが変質してしまうのではないか、という指摘だ。
例えばゲーム評論家のAlex Donaldsonは、『バイオハザード9:レクイエム』における女性主人公の口元表現について違和感を示し、「まるでX(旧Twitter)で見かけるような“ヤッピー風”の加工のようだ」とコメント。環境表現は大きく向上している一方で、キャラクターが不自然かつ不気味に見えると指摘し、開発者がどこまでモデル表現をコントロールできるのか疑問を呈している。
また海外のプレイヤーからも、『Starfield』のDLSS 5デモに登場するサラ・モーガンの顔が「まるで別人のようだ」と批判の声が上がっており、「フィルターをかけたニュースキャスターがコスプレしているようだ」といった辛辣な意見も見られる。