アメリカのゲーム博物館、幻の「ニンテンドー・プレイステーション」最古プロトタイプを収蔵
開発キット「MSF-1」、世界で唯一の現存機とされる
テキサス州フリスコにあるナショナル・ビデオゲーム・ミュージアム(National Videogame Museum)が、任天堂とソニーの共同開発プロジェクトで生まれた幻のハードウェア——ソニー製開発キット「MSF-1(エムエスエフ・ワン)を収蔵したと発表した。現時点で世界で唯一確認されている実機とされ、現在同館で一般公開されている。
■ 90年代初頭、破綻した任天堂×ソニーの提携
1990年代初頭、任天堂とソニーはスーパーファミコン用CD-ROM拡張機器の共同開発を進めていた。当初の構想では、任天堂が本体、ソニーがCD-ROMユニットを担当する形だった。
しかし任天堂が突如として提携を破棄。ソニーは単独で開発を継続し、後に初代プレイステーションとして世に出ることになる。提携破綻の背景には、契約条項を巡る対立があったとされる。
■ 「MSF-1」はどんなマシンか?
今回収蔵されたMSF-1は、上述のプロジェクトで作られた最古のハードウェアプロトタイプとされる。外観は白い金属製の箱で、量産機のような洗練されたデザインではなく、開発用機器としての無骨な造りだ。
このユニットはスーパーファミコン本体に接続して使用する仕様で、CD-ROMゲームの開発・テストに使われていたと推測されている。
なお、一部報道で言及される「SF-BOX II」との直接的関連については、現時点で公式な裏付けはない。SF-BOX IIはリコーが製造した正規のSFC開発キットだが、MSF-1との接続仕様は未確認だ。
■ 別件:2015年に発見された「ニンテンドー・プレイステーション」プロトタイプ
2015年、米国のダン・ディーボルド(Dan Diebold)氏が父親の倉庫から、コンシューマー向けデザインの「ニンテンドー・プレイステーション」プロトタイプを発見したことが話題になった。
これはMSF-1とは異なる型式のマシンで、カートリッジとCDの両方を再生可能な一体型コンソールだった。後に修復され、オークションで30万ドル超(約4,500万円)で落札されている。
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■ なぜ「MSF-1」が重要なのか?
- 現存する最古のNintendo PlayStation関連ハードウェア
- 量産に至らなかったプロジェクトの「最初期段階」を物語る貴重な資料
- ゲーム史における「もしも」の分岐点を象徴する実物
博物館側は「このマシンがなければ、後のプレイステーションも、ひいては現代のゲーム業界の姿もまったく違っていたかもしれない」とコメントしている