マイクロソフト、ソニー、任天堂が異例の共同声明――「より安全なゲーム環境」の推進を表明
ハードウェアからソフト、さらには発表イベントに至るまで激しい競争を繰り広げてきたゲーム業界の三大巨頭が、近年まれに見る形で「オンライン安全」をテーマに同じ舞台に立った。任天堂(Nintendo)Switch 2、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の PlayStation、そしてマイクロソフト(Microsoft)の Xbox は、1 月 14 日に共同声明を同時発表し、「プレイヤーの安全」分野において協力を深めていく姿勢を明確にした。
この共同声明は、オンラインセキュリティおよびプレイヤー保護を中心とした内容で、三社が掲げる「より安全なゲーム環境の構築」に向けた取り組みの一環とされている。三社はすでに 2020 年の時点で協力の意志を表明していたが、技術や利用環境の変化を受け、関連計画はいよいよ実行段階へと移行し、複数の「プレイヤー安全に関する新たな施策」が導入されることとなった。
声明全体はやや包括的な方針を示す内容となっているものの、公式はこれらの原則が Switch、PlayStation、Xbox 各プラットフォーム上で具体的な施策として実装されていくこともあわせて説明している。
三社によると、今後は以下の分野を重点的に強化していく方針だという。
・プレイヤーおよび保護者が利用できる安全ツールの強化と普及
・コンテンツおよびコミュニティ管理・モデレーション体制の向上
・より細かなカスタマイズが可能なコントロール機能の提供
・ESRB や PEGI など、既存のゲームレーティング制度との連携強化
・通報・報告システムの拡充
・不適切な Modや規約違反コンテンツの迅速な削除
これらの原則の一部は、すでに各プラットフォームで実施されてきたものでもあるが、今後はさらなる改善と統合が進められる見通しだ。その方向性は、近年複数の訴訟を受けて Roblox が打ち出した行動規範とも近く、「子ども・青少年プレイヤーの安全」がゲーム業界全体における共通の重要課題となっていることを示している。
公式が公開した声明全文によると、マイクロソフト、SIE、任天堂は、協力体制を以下の 3 つの中核原則に整理している。
1.予防(Prevention)
直感的で使いやすいツールを通じて、プレイヤーが自身のゲーム体験を調整できるようにすると同時に、保護者が子どもに適したプレイ環境を設定できるよう支援する。各プラットフォームは、安全機能の利用方法に関する周知を強化し、行動規範や利用規約を明確に示すことで、健全で前向きなゲームコミュニティの維持を目指す。
2.協力(Partnership)
三社は今後も、他のプラットフォーム事業者やゲームパブリッシャー、政府機関、法執行機関、非営利団体、研究機関と連携し、オンライン安全に関する取り組みを推進する。また、ESRB や PEGI などのレーティング機関や業界団体と情報を共有し、不適切な行為やコンテンツの防止に共同で取り組む方針だ。
3.責任(Responsibility)
プラットフォームは、より円滑な通報プロセスを提供し、規約違反行為に対してはサービス利用の制限など、適切な措置を講じる。公式は、法令を順守した上でデータを透明かつ責任ある形で活用し、必要に応じて法執行機関とも連携しながら、潜在的なリスク事案に対応していくとしている。
今回の「三社連携」は、「マリオ×ゴッド・オブ・ウォー×HALO」といった夢のクロスオーバーではないものの、競争が激しく、ハードウェア供給も逼迫する業界環境の中で、三大プラットフォームが同一の課題について足並みを揃えたことは、極めて前向きなシグナルと言えるだろう。これらの施策が着実に実行されれば、最終的に恩恵を受けるのは、すべてのプレイヤーである。