指の形が不自然? 米任天堂、「My Mario」プロモ画像はAI生成ではないと否定

任天堂は、「My Mario」シリーズの最新プロモーション画像に生成AIを使用したのではないかという疑惑について正式にコメントし、これを否定した。問題は、SNS上で一部のユーザーが画像内の人物の指の比率やポーズが不自然に見えると指摘し、AI生成ではないかとの疑念が広がったことをきっかけに浮上したものだ。
マリオをテーマに、幼児層を対象として展開される新商品シリーズ「My Mario」は、来月より欧米市場で発売予定だ。米任天堂は先日、親子が実際に商品を使用している様子を写したプロモーションビジュアルを公開したが、そのうちの一部の写真でモデルの親指の角度が不自然に見える、あるいは子どもを抱える手の比率がおかしいといった指摘がSNS上で相次ぎ、「AI生成ではないか」との憶測が広がった。
これを受け、任天堂は欧米メディアに向けて声明を発表し、「My Mario」のすべてのプロモーション画像はAI技術を使用せずに制作されたものであると明言した。また公式の回答に先立ち、実際に撮影に参加したモデルの一人であるBrittoni O’myah Sinclair氏もInstagramでコメントを発表し、自身が写真のモデルであることを明かした上で、これらの画像がAIによるものではないことを強調している。
近年、生成AIが手指の描写を誤るケースが多いことから、「手の自然さ」はAI画像を見分ける指標のひとつとして注目されている。今回の件でも、この点を根拠に任天堂がAI生成画像を使用したのではないかと指摘する声が上がったが、一方で撮影角度や動きによって手の見え方が不自然になることは珍しくないとして、過度な憶測に慎重な意見も多く見られた。複数のメディアがAI判定ツールで画像を分析したものの、ツールごとに結果が大きく異なり、こうした検出手法自体に高い不確実性があることも浮き彫りになっている。さらに、たとえデジタル修正が施されていたとしても、それは広告制作の一般的な工程であり、生成AIの使用とは同一視できないという指摘もある。
なお、任天堂がAI画像をめぐる疑惑に直面したのは今回が初めてではない。2025年5月にも『マリオカート ワールド』の看板デザインがAI生成ではないかと話題になった際、任天堂は開発過程で生成AIを使用していないと説明している。宮本茂氏も過去の発言で、任天堂はAI技術の活用において業界のトレンドとは異なる道を選ぶ姿勢を示していた。
公式がAI使用を否定したことで、「My Mario」を巡る今回の騒動はいったん沈静化したが、生成AIの普及によって、ユーザーや消費者がビジュアルの真偽に対してこれまで以上に敏感になっている現状を改めて浮き彫りにする出来事となった。