脱出系シューター 『PUBG: Black Budget』クローズドαを体験―手軽さの中に感じる「タルコフ系」の緊張感
『Escape from Tarkov』や『ARC Raiders』のヒットを受け、いわゆる“サーチ&デストロイ”ジャンルが盛り上がりを見せる中、KRAFTONは『PUBG』ユニバースを活用した新作 PvPvE脱出型シューター『PUBG: Black Budget』 のクローズドαテストを実施した。
今回のテストはあくまで初期段階の内容ながら、本作が目指すゲームデザインの輪郭は十分に感じ取れるものとなっている。
クローズドαテスト実施スケジュール
本テストは2つの期間に分けて行われた。
- 第1フェーズ:2025年12月12日~12月14日
- 第2フェーズ:2025年12月19日~12月21日 限られた参加者のみがアクセスできる形でのテストとなった
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舞台は“世界の果て”にあるループに閉ざされた島
『PUBG: Black Budget』でプレイヤーが演じるのは、極秘任務を帯びて孤島へと送り込まれたベテランエージェント。
その島は、研究所が残した先端技術や遺物が眠る一方で、正体不明の現象により時間がループし続ける異常地帯と化している。
プレイヤーの目的は、島内で素材やアーティファクトを回収し、それらを研究することで、
謎の計画「SAPIENS」の真相へと近づいていくことだ。
PUBG×タルコフ的構造、しかし操作感は軽め
ゲームの基本構造は、『PUBG』の銃撃感覚に『Escape from Tarkov』の脱出ルールを組み合わせた形。
ただし、複雑な管理要素は抑えられており、ジャンル初心者でも比較的入りやすい設計になっている。
マッチ中にはバトルロイヤル同様の安全エリア縮小が存在するものの、最優先事項はプレイヤー同士の殲滅ではない。
30分以内に“成果を持ち帰る”ことが勝利条件
プレイヤーは制限時間内に、
- 島を徘徊する変異体への対処
- 物資や遺物の探索
- 各派閥から提示されるミッションの達成をこなしつつ、30分以内に無事撤退ポイントへ到達する必要がある。
回収した戦利品は拠点で「研究」することで、次回出撃時の装備や能力強化につながり、周回プレイを通じて徐々に戦力を高めていく流れだ。
手軽だが、確かに“脱出シューター”
全体として、『PUBG: Black Budget』は本格派脱出シューターに比べて敷居は低い一方、探索の緊張感や撤退判断の重さといった“タルコフ系らしさ”も随所に感じられる。
今後の調整次第では、『PUBG』ファン層と脱出シューターファンの両方を取り込む意欲的なタイトルへと成長する可能性を秘めていそうだ。
本作では、戦闘開始時から多くの脱出系シューターと同様の配置方式を採用しており、パラシュート降下は行わない。プレイヤーはマップ上に用意された8つのセクターから上陸地点を選択する形となる。
各上陸地点には参加可能な人数制限があり、基本的には自身が受注したミッション地点に近い場所を選ぶことで移動距離を短縮し、任務効率を高めたり、できるだけ交戦を避けたりする立ち回りが有効だ。ただし、現時点のマップはそれほど広くないため、他プレイヤーと遭遇する可能性は依然として高い。
ゲーム内の建物の大半は内部に侵入でき、物資を探索できる。弾薬や武器アタッチメントといった従来のPUBG要素に加え、金属やプラスチックなどの素材、酒やCDといった貴重品も入手可能だ。

アイテムはバックパックに収納して持ち運ぶことができ、無事に撤退できれば戦利品として持ち帰れる。高レアリティのアイテムの一部は特定の部屋やロッカーに施錠されており、一定レベル以上の解除ツールや鍵が必要となる。
ゲーム中に登場する主なAI敵は、変異した動物や植物だ。テスト段階では猫、犬、ワニ、飛行昆虫といった変異生物が確認されており、いずれも強い攻撃性を持ち、出現頻度も高く、数分に一度は遭遇する印象である。
植物タイプの敵は近づくと反応する固定式の罠で各地に配置されており、爆発して出血や毒状態を引き起こす。変異生物からは専用素材がドロップし、これを研究することで武器スキンとして利用できる。

AI敵の種類自体は多いものの、実際の戦闘では数発の拳銃弾で倒せるケースがほとんどで、『ARC Raiders』のようなPvE攻略の手応えは薄い。現状では、プレイヤー同士の衝突を誘発する存在として機能している印象が強い。ただし、現在はまだAlpha段階であるため、今後より強力な変異体や、魅力的なPvE報酬が追加される可能性はあるだろう。
PvPに関しては、操作感や全体的な体験は『PUBG: Battlegrounds』と非常に近い。TTKは短く、銃の反動は大きめで、スライディングジャンプなどの複雑な機動アクションは存在しない点もPUBGらしい特徴だ。
マップ構造もシンプルで、『Escape from Tarkov』のように複雑な地形や建物を長時間かけて覚える必要はなく、多くのプレイヤーが違和感なく入り込める設計となっている。

本作の中核となる要素が「ミッション」システムで、要するに任務を達成することで装備やアイテムを解放していく仕組みだ。
ゲーム内には3つの派閥が存在し、それぞれ異なる系統の武器を扱うサプライヤーとして機能している。各派閥から段階的に契約が提示され、現段階では「特定エリアの調査」「素材の回収」「指定地点でのデータダウンロード」など、難易度は比較的低めだ。
ミッションを達成すると、キャラクターレベルと該当派閥の評価が上昇し、その派閥のショップで新たな武器や装備を購入できるようになる。解放要素に直結するため、自由探索やPvPよりも契約達成の優先度は高く、達成後は素早く撤退する方が効率的だ。

一連の行動を終えたら、撤退に向かうことになる。
『PUBG: Black Budget』の撤退条件はシンプルで、現時点では2種類用意されている。1つ目はサークルが島を完全に覆う前に潜水艇へ戻って脱出する方法、2つ目はサークル収縮後にランダムで出現するワームホールを利用する方法だ。
ソロモードでは比較的撤退しやすいが、3人チームモードでは最大45人が参加するため、接敵率はむしろ高くなる。さらに、ゲーム内には解除レベル制限のある壁や扉が多く存在し、これらはプレイを重ねて育成しなければ突破できないため、時間が経つほど撤退難度は上昇していく。

その対策として、本作には救済要素も用意されている。プレイヤーは出撃時にドローンを1機所持しており、戦闘中にバックパック内の一部物資をドローンで拠点へ送ることが可能だ。撃墜されるリスクはあるものの、序盤の資源蓄積には有効な手段となっている。
死亡して帰還した場合でも、無事に撤退できた場合でも、拠点に戻れば研究フェーズに移行する。作業台などの施設を購入して基地機能を拡張できるほか、素材を「研究台」に投入して技術開発を進めることが可能だ。
プレイ回数を重ねることで、キャラクターのスタミナや隠密性能などの基礎能力も向上し、より長距離を移動できるようになり、行動音も抑えられるようになる。

総合的に見ると、現時点の『PUBG: Black Budget』は、マップ規模を抑え、ルールを簡略化しつつ、戦闘感覚は『PUBG』らしさを保った。
システム構造は非常にオーソドックスな脱出系だが、難易度は低く、1〜2試合遊べば多くのプレイヤーが感覚を掴めるだろう。理不尽なAIによる即死要素も少なく、挫折感や緊張感は控えめで、脱出系ジャンルを体験してみたい層には向いている。一方で、ゲームとしての深みや独自性はまだ改善中であり、今後の調整と進化に期待したいところだ。
『PUBG: Black Budget』の正式なリリース時期は未定で、現時点で対応言語は簡体字中国語、英語、ロシア語、韓国語のみとなっている。興味のある人はSteamストアページで今後のテスト情報をチェックしましょう。
